2013年4月10日水曜日

ケニアGEM EAST村のご紹介(3)~現地NGOのこと~

私達NPO法人アフリカ支援 アサンテナゴヤは、ケニア奥地の農村での支援活動を現地NGOのルーネルドと連携して行って参りました。
私達が農村に行って医療活動ができるのは、ルーネルドが事前にきちんと準備をしてくれるからです。コミュニティ内に根回しをし、村人にキャンプについて広告してくれています。キャンプではルーネルドが集めたボランティアの人たちが、私達のために現地の言葉(スワヒリ語かルオー語)から英語に通訳してくれます。私達は日本からボランティアでケニアまで出向いて行きますが、ケニアの側でも大勢の人が仕事を休んで、ナイロビなどから奥地の農村までやってきて、キャンプに協力してくれています。ルーネルドのメンバーとボランティア無しにはキャンプの運営は不可能です。

アフリカに限らず、NGOの中には支援活動を悪用して私腹をこやす人たちもいるそうです。海外から支援を受けるということは、彼らの側からすれば大変な利権ですので、支援する側もよくよく気をつけなくてはなりません。またケニアの人たちは"ポレポレ"というのでしょうか、仕事のやり方が非常にルーズで、日本人の感覚では信じられないようなこともしばしばあると聞きます。
私達のパートナーのルーネルドは、その点とても真面目で、信頼がおける人たちです。コミュニケーションがうまくいかないことはもちろんありますが、彼らの村の生活の改善のための奉仕に対する純粋さを疑ったことはありません。


2009年にアサンテナゴヤは初めてゲム村を訪れました。村の人たちやルーネルドと話し合い、彼らが望んでいる支援は何かと聞きました。
彼らが望んでいるのは、クリーンな水とドロップインセンターの建設でした。

それはどちらもたくさんのお金が必要なプロジェクトです。NPOとして、簡単に約束できるようなものではありません。私達は、まずは医療キャンプの実施を優先しました。
その後、2010年から2012年まで、毎年無料医療キャンプを実施しました。今年も9月にケニアに行く予定です。今回で4回目のキャンプとなります。
これまでの間、クリーンな水とドロップインセンターのことを忘れたことはありません。

私達が驚いたのは、昨年2012年のキャンプの時です。
ルーネルドの創立メンバーの1人メリーのパパ。ルーネルドの理事であり、牧師としてゲムイースト村の有力者でもあるパパが、センターを建てるための土地を取得していたのです。
それまで医療キャンプは、村の土地を借りて行っていました。それが2012年はルーネルドが所有する土地で開催されたのです。
私達は、ドロップインセンター建設に対する彼らの強い思いを知りました。

その後、パパからセンターの図面と見積もりが送られてきました。
3回のキャンプを経て、私達アサンテナゴヤはルーネルドを信頼できるパートナーであると認識するようになっていました。
今年2013年の初めから、私達はドロップインセンター建設の具体的な打ち合わせを始めました。ルーネルドの創立メンバーの1人、ダグラスさんと頻繁にメールで意見交換をしています。



私個人は、ドロップインセンターのことがまるでわかっていませんでした。ドロップインとは「立ち寄る」という意味ですから、村の人たちが立ち寄ることのできる集会所のようなものだろうかと思いましたが、集会所を立てて、それが村人の健康にどうつながるのかわからなかったのです。

ダグラスさんに色々と質問をしたり、インターネットでケニアの医療制度を調べたりしているうちに、彼らはレベル2か3の医療施設を作りたいと思っているということがわかってきました。
彼らは私達が想像していたよりずっと綿密に計画を進めていて、政府の援助を得るために担当の役人とコンタクトを取ったりしていました。
センターを建てて、医療機関として認可されれば、看護師やクリニカルオフィサーといった医療従事者を派遣してもらえます。
先回ご紹介したように、ケニアではこうした施設がコミュニティの医療を担っているのです。


ドロップインセンターで提供されることを想定されているのは以下の通りです。
a)HIVのカウンセリングと検査
b)HIVの母子感染予防
c)外来患者の治療
d)予防接種
e)子供の病気の総合的管理

上記のことができる施設が村に出来たら、それは村においては大きな変化です。
HIV/AIDSについての啓発活動、HIV陽性者に対するフォロー、感染症を防ぐ衛生に関する情報の提供、外来による診療、子どもの健康維持活動など、現在のゲム村では得ることのできない医療サービスを提供できます。

ドロップインセンター建設の意義、ゲムイースト村の現状を、皆様方によくご理解頂き、ぜひともご支援を賜わりたいと思っております。
よろしくお願い申し上げます。

特定非営利活動法人アフリカ支援 アサンテナゴヤ 入会・寄付のご案内
http://asante-nagoya.com/aboutus.html




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