2013年4月7日日曜日

ケニアGEM EAST村のご紹介


NPO法人アフリカ支援 アサンテナゴヤは2009年以来、ケニア奥地の農村の支援を行っています。主な活動は毎年9月に実施している無料医療キャンプですが、それ以外にも様々な支援活動を実施しています。

GEM EAST村ではほぼ自給自足の生活をしており、村の人たちは医療の恩恵を受けることができません。ですから毎年のキャンプではいつも多くの患者さんが早朝から列をなし、大変喜ばれています。



私は鍼灸師として2011年のキャンプに参加し、帰国後アサンテナゴヤの理事に就任させていただきました。キャンプに参加した時は、鍼灸師として何かボランティア活動ができたらという思いだけで、ケニアといってもサファリやマサイという言葉くらいしか浮かばない有様でした。
今は認識が深まったとも言えないのですが、日々現地NGOの方々とメールでやり取りする中で感じることなどもあり、私たちが見聞きしたケニアの農村のことを皆さまにご紹介し、現状をご理解頂き、ひいてはアサンテナゴヤの活動についてもご理解いただく一助になればと思い、GEM EAST村のご紹介を試みる所存です。

ケニアはWikipediaの説明によると
ケニア共和国は、東アフリカに位置する共和制国家で、イギリス連邦加盟国である。
北にエチオピア、北西に南スーダン、西にウガンダ、南にタンザニア、東にソマリアと国境を接し、南東はインド洋に面する。
首都はナイロビ。旧イギリス植民地。
とあります。


首都ナイロビは、アフリカ有数のグローバル都市であり、人口300万人以上。赤道に近い割に標高が高いので、意外に過ごしやすい気候です。
国際空港もあり、東アフリカの玄関といえる中心的都市です。近年は海外からの投資も活発で、高い経済成長率を誇っています。




GEM EAST村はナイロビから内陸に300キロ入った、ヴィクトリア湖近くの奥地にあります。
左の地図にKisumuとあるのがケニア第3の都市キスムで、その近くです。
2010年のキャンプではナイロビから国内線でキスムまで行き、そこから村の近くにあるホテルまで車で移動したのですが、道路の状態が劣悪で、狭い車の中で何時間も揺られることとなり、難渋いたしました。
ですから近くとはいっても、日本の感覚とは全く異なります。


現地協力団体RUNELD

ケニア奥地の農村で私たちが無事にキャンプを実施できるのは、現地のNGOルーネルドとの協力関係があるからです。元々は、主要メンバーの友人である日本人女性の仲介で彼らと出会い、GEM EAST村と縁ができました。NGOの中には、国際支援を利用して私腹をこやすような人たちも少なくないそうですが、ルーネルドはとても誠実な方たちです。私たちはこの出会いにとても感謝しています。

ルーネルドは正式名称はRural New Life Development (RUNELD) といいます。大都市の発展に取り残された農村の生活状況を改善することを目的として、特にHIV/AIDSの問題に取り組んでいます。

村ではHIV/AIDSの感染率が高く、アサンテナゴヤによる検査においても、ナイロビの2~3倍の陽性率です。

ネット検索をしていたら、AMREFという団体がホーマベイというGEM EAST村の近くの都市における状況について書いている記事を見つけました。ご参考にしていただきたく、ご紹介します。

ケニアには65万人のHIV/AIDS孤児がいて、その内1万6千人がビクトリア湖畔のホーマベイ地域に住んでいる。
このケニア奥地は健康に関して、ケニアで最悪の状況である。医療施設はHIV/AIDS患者の数に対して不十分であり、またアクセスも困難である。治療効果のある薬剤と医療の専門家がともに不足していることが事態をさらに悪化させている。
HIVはホーマベイにおいて最高潮に蔓延しているが、その原因はWife Inherirance(未亡人が亡夫の兄弟などの近親者と再婚すること)や一夫多妻制などの風習で、そのせいで複数のパートナーと性交渉を持つこととなり、HIV/AIDSが広まってしまう。
ヴィクトリア湖の近くなので、この地域では漁業が主な収入源である。通常、男性は漁に出て、収穫した魚を女性に売る。女性は買った魚を市場で売る。極度の貧困ゆえ、この取引に性交渉が含まれるのは一般的なことだ。そしてHIV/AIDSの蔓延が加速される。結果として、ホーマベイには沢山のエイズ孤児と未亡人が残ることとなる。
http://www.amrefusa.org/what-we-do/orphans-and-widow-support-project--homa-bay-kenya/


GEM EAST村は農村ですが、HIV/AIDSの蔓延に関する基本的な構造、すなわち風習と貧困に関しては同様の状態であろうと思われます。ホーマベイは都市であり、GEM EAST村は僻地です。医療機関や保健衛生に関する情報へのアクセスはさらに限られたものとなります。

私たちは微力ではありますが、こうした村の状況を少しでも改善すべく、現地の人たちと協力して活動を続けています。


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